1.はじめに
特別養子は昭和62年の民法改正で創設された制度です。普通養子と比較して次の点が異なります。
①特別養子になれる人は原則として15歳未満の者で、実親の監護が著しく困難であり、その子の利益のために特に必要がある場合に限定されている。
②6か月以上の試験的な養育の状況をみた上で、養子縁組を成立させることができる。
③養子縁組の成立には、原則として実親の同意が必要とされている。
④養子縁組が成立すると、養子は養親夫婦の嫡出子の身分を取得し、実親及びその親族との法律関係は原則として終了となる。
⑤離縁が原則として許されていない。
⑥戸籍上も一見しただけでは、養子であることが分からない。
①特別養子になれる人は原則として15歳未満の者で、実親の監護が著しく困難であり、その子の利益のために特に必要がある場合に限定されている。
②6か月以上の試験的な養育の状況をみた上で、養子縁組を成立させることができる。
③養子縁組の成立には、原則として実親の同意が必要とされている。
④養子縁組が成立すると、養子は養親夫婦の嫡出子の身分を取得し、実親及びその親族との法律関係は原則として終了となる。
⑤離縁が原則として許されていない。
⑥戸籍上も一見しただけでは、養子であることが分からない。
2.なぜ、特別養子の縁組をするのか
特別養子の縁組は、専ら子供の福祉増進を目的とするもので、家庭裁判所の慎重な審理と判断によって成立させることとしています。実親との親族関係を法律的に終了させる点が普通養子とは大きく異なります。
3.特別養子の要件
特別養子縁組が成立するためには次の要件を満たす必要があります。
①養親となる者の請求によること。
②養子となる者は、養親となる者の家庭裁判所への請求の時に、原則として15歳未満であること。
③実父母の子供に対する監護が著しく困難又は不適当であるなど(虐待、育児放棄)、子供の利益のため特に必要があること。
④養親となる者は配偶者のある者でなければならないこと。
⑤原則として夫婦が共に養親となること。
⑥養親となる者の年齢は、原則として25歳以上であること。
⑦縁組が成立するためには、原則として、養子となる者の父母の同意が必要であること。ただし、父母による虐待等によって養子となる者の利益を著しく害する場合には同意は不要。
⑧縁組を成立させるためには、6か月以上の期間、試験養育をさせて、その状況を考慮すること。
①養親となる者の請求によること。
②養子となる者は、養親となる者の家庭裁判所への請求の時に、原則として15歳未満であること。
③実父母の子供に対する監護が著しく困難又は不適当であるなど(虐待、育児放棄)、子供の利益のため特に必要があること。
④養親となる者は配偶者のある者でなければならないこと。
⑤原則として夫婦が共に養親となること。
⑥養親となる者の年齢は、原則として25歳以上であること。
⑦縁組が成立するためには、原則として、養子となる者の父母の同意が必要であること。ただし、父母による虐待等によって養子となる者の利益を著しく害する場合には同意は不要。
⑧縁組を成立させるためには、6か月以上の期間、試験養育をさせて、その状況を考慮すること。
4.特別養子縁組の効果
特別養子縁組を行うと、縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得することになります。
具体的には、養親は親権者となり、氏が養親の氏名となり、養親と養子は相互に相続権及び親族的扶養義務を負うことになります。さらに、養親の血族とも親族関係が発生します。さらに、特別養子縁組の特別な効果は、実の父母及びその血族との親族関係が終了するという点です。したがって、実の父母との間の民法上の扶養義務や相続関係は消滅します。
具体的には、養親は親権者となり、氏が養親の氏名となり、養親と養子は相互に相続権及び親族的扶養義務を負うことになります。さらに、養親の血族とも親族関係が発生します。さらに、特別養子縁組の特別な効果は、実の父母及びその血族との親族関係が終了するという点です。したがって、実の父母との間の民法上の扶養義務や相続関係は消滅します。
5.特別養子の戸籍
特別養子縁組の審判が家庭裁判所で確定すると、その確定日から10日以内に審判の謄本を添付して届出を行わなければなりません。これによって、養子は実の父母と同じ場所を本籍として新戸籍が編製され、実の父母の戸籍から除籍されます。そして、その新しい戸籍から養親の戸籍に入籍されます。戸籍をみただけでは、養子であるということが分かりません。
6.離縁
以上のように、特別養子の縁組は手続き的に厳格であり、養子と養親との関係は実親との関係同様に強固なものとなります。そのため、原則として、離縁は認められません。
しかし、養親による虐待等によって養子の利益を著しく害するような状態となり、元の実父母が相当の監護をすることができる場合は、家庭裁判所は、養子、実の父母又は検察官の請求により離縁させることが可能です。この場合、実の父母との親族関係が回復されることになります。
しかし、養親による虐待等によって養子の利益を著しく害するような状態となり、元の実父母が相当の監護をすることができる場合は、家庭裁判所は、養子、実の父母又は検察官の請求により離縁させることが可能です。この場合、実の父母との親族関係が回復されることになります。
7.相続税法上の取り扱い
相続税法上の基礎控除額算定において、養子は最大2名までと限定されています。実子がいる場合は1名のみとなります。しかし、特別養子は数に制限がありません。
実の父母との親族関係が終了し、養親との親族関係が生じる法的効果から考えると、論理的には当然と思われます。
実の父母との親族関係が終了し、養親との親族関係が生じる法的効果から考えると、論理的には当然と思われます。