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相続分について

1.はじめに

 相続人が誰になるのかということを、これまでのブログで4回に分けてご説明してきました。一般的には、配偶者と子供というイメージで相続人はとらえられますが、養子制度も考慮すると、その範囲が広がることになります。
 それでは、次に考えることは、各相続人がどういう割合で相続するのかという「相続分」という点です。相続分には、指定相続分と法定相続分があります。

2.指定相続分と法定相続分

 指定相続分とは被相続人が遺言で相続分を指定するものです。これに対して、法定相続分とは法律で定められた相続分であり、指定相続分は法定相続分に優先します。

3.法定相続分

 法定相続分は相続人が複数あるときは、それぞれの場合に分けて割合が定められています。

⓵配偶者と子が相続人の場合

 配偶者の相続分は1/2、子の相続分も1/2で、子が複数の場合は、その1/2を均等に分けます。
 子供が嫡出子(婚内子)であるか、非嫡出子(婚外子)であるかによって、民法の平成25年改正前までは、相続分に区別がされていました。非嫡出子は嫡出子の1/2であったのですが、民法改正によって現在では区別がなくなっています。
 したがって、被相続人の子であるならば、嫡出・非嫡出にかかわらず法定相続分は同等になります。

⓶配偶者と直系尊属が相続人の場合

 配偶者の相続分は2/3、直系尊属の相続分は1/3です。直系尊属が複数の場合は、その1/3を均等に分けます。
 直系尊属に実親と養親の区別はありません。特別養子ではない普通養子になることによって、実親のほかに養親ができますが、その養子が被相続人になる場合、両方の親が相続人になりうるわけです。特別養子の場合は、実親との法定血族関係が解消されますので、養親のみが相続人になります。

⓷配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合

 配偶者の相続分は3/4、兄弟姉妹の相続分は1/4です。兄弟姉妹が複数の場合、その1/4が均分されます。
 ただし、父母の一方のみを同じとする兄弟姉妹の相続分は父母双方を同じとする兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)の相続分の1/2となります。異父兄弟や異母兄弟(半血兄弟姉妹)がいる場合には起こりうる相続分です。しかし、被相続人の養父母から生まれた兄弟姉妹は全血兄弟姉妹ですので、実親から生まれた兄弟姉妹と同等となります。

4.身分関係が重複する場合はどうなるのか

 孫を養子にする場合や配偶者が配偶者の父母の養子になる場合、血縁関係のほかに法定血族関係ができます。この場合、孫は祖父母との間の血縁関係のほかに、養父母と子という法定血族関係ができ、配偶者は配偶者という身分関係のほかに、配偶者の兄弟姉妹という法定血族関係ができます。
 このような場合、2つの地位に基づく相続分を取得できるのであろうかという問題があります。
 たとえば、孫はその実親がいない場合、代襲相続人となります。それと同時に、養親となった祖父母の子でもあります。この場合、両方の相続分を取得するとする説が一般的です。
 その一方で、婿養子である夫が被相続人となった場合、その妻は配偶者としての相続分のみを取得するという説が一般的です。配偶者と兄弟姉妹の二重の相続分を取得しないということになります。

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