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遺産の分割について(1)

1. 遺産分割の基準

 民法第906条で遺産分割の基準を定めています。
 「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」

 相続財産をどのような割合で分けるのかという問題は、法定相続分や指定相続分に従えばよいのですが、相続財産を具体的にどのように分けていくかということは、財産と相続人の状態や事情によるため簡単ではありません。
 遺言で「この土地はAに、この建物はBに相続させる」と明記されていれば別ですが、そうではない場合、「この土地はAに、この建物はBに分割する」ということは遺産分割協議によって決めることになります。
 協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停や審判によることになります。

2. 分割の際に考慮すべきこと

 遺産分割は各相続人の実情にそって、遺産の経済的な価値を損なわないように行われる必要があります。
 たとえば、被相続人が創業した会社の株式を相続する場合に、兄弟姉妹が平等に相続をするとどうなるでしょうか。後継者として創業者とともに会社経営に携わってきたAが全株式を相続すれば会社経営をスムーズに承継できたのに、会社経営にまったく興味関心がないBも等分に50%の株式を相続した場合、Bが死去してその子が相続すると株の分散ということが起こります。これが将来的な争いの種や後継者Aが会社を完全に統制できないということが起こり得ます。
 したがって、分割にあたっては、遺産の性質(農地か宅地か、商業ビルか店舗か等)を考慮するとともに、遺産と相続人の関係(相続人が会社員か農業従事者か等)、相続人と被相続人との関係(被相続人との同居又は別居)等の一切を考慮する必要があります。

3. 分割の方法

 遺産分割の方法として、現物分割、代償分割、換価分割、共有の4つがあります。

 ⓵現物分割

 現物分割では、この土地はAに、この建物はBに、この預貯金はCに、等のように個々の財産を個別に分割する方法が一般的には採られています。

 ⓶代償分割

 現物分割とは異なり、いったん特定の相続人が遺産を取得し、他の相続人は遺産の取得に代えて遺産を取得した特定の相続人に対して債務を負担させて、結果的に遺産を分割する方法を代償分割といいます。
 例えば、遺産の大部分が農地である場合、農業経営者として被相続人と共に農業に従事していた特定の相続人が農地を相続することがあります。この場合、特定の相続人は代償債務者となって、他の相続人に代償債務の支払いを代償債務者固有の財産から行うことになります。結果的に法定相続分又は指定相続分に沿った形で相続財産が分割されることとなります。

 ⓷換価分割

 換価分割とは遺産を処分して金銭に換えて相続人間でその金銭を分割する方法です。換金性が高い財産、例えば、上場株式や貴金属等が遺産の大部分を構成するような場合には採用しやすい分割方法です。

 ⓸共有分割

 以上の⓵から⓷は方法とは異なり、あえて相続人全員又は一部の共有にするという方法を共有分割といいます。しかし、共有分割は、将来的な争いの種になることもあります。たとえば、一つの土地をAとBが共有で相続した場合、Aが処分したいと思ってもBは継続所有したいと思っていて自由にならないという問題が起きやすいと言えます。そのため、あまりお勧めできる分割方法ではないと思っています。

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