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遺留分(1)

遺留分について

民法では遺言者の自由な遺言がみとめられています。被相続人は自分自身の財産を遺言によって自由に処分できます。その一方で、相続人の相続期待利益を保護し、被相続人死亡後の遺族の生活を保障するため、相続財産の一定割合を遺族のために留保させる制度があります。これが遺留分制度と言われるものです。

遺留分権利者は兄弟姉妹以外の相続人です。遺留分割合は、相続人が直系尊属のみである場合は3分の1、直系相続のみではない場合は2分の1となります。

遺留分侵害額請求権は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないとき、又は相続開始の時から10年を経過したときに時効となり消滅します。

遺留分の算定基礎

遺留分の算定の基礎となる財産は、まず、相続開始時の財産の価額(遺贈を含む)です。これに、被相続人が生前に贈与した財産の価額を加算します。この場合の「贈与」の範囲は、相続開始前の1年間にしたものに限ります。ただし、1年以上前の贈与であっても、被相続人と受贈者が遺留分権利者に損害を与えることを知った上で行った贈与は対象となります。

相続人に対する贈与で、かつ、婚姻もしくは養子縁組又は生計の資本としてなされたものは、相続開始前の10年間の贈与が対象されます。また、被相続人と受贈者である相続人が遺留分権利者に損害を与えることを知りながら行った贈与は、相続開始の10年以上前のものであっても対象となります。(いわゆる「特別受益権」)


特別受益権

この特別受益権は、具体的には、長男が多額の債務を背負ったために被相続人が肩代わりした、あるいは、次男(医者)の開業資金を父親が負担した、孫娘夫婦の住宅のため祖父が宅地を贈与した、等々が該当します。親族間の扶養的金銭援助を超えないもの、つまり、通常の生活のなかでの生活費までは含まれません。

相続で争われた場合は、特別受益があったのかどうかが争点となることもあります。実際に侵害されたと主張する相続人は、遺留分侵害額請求権を行使することができるわけです。

しかし、相続税の課税対象になるかどうかは別問題となります。生前贈与3年の加算になるかどうか判断する必要があります。2024年1月1日以降なされた贈与は段階的に3年の期間が延長され、2031年1月1日以降に生じる相続からは7年となりますので、今年からは今まで以上に、贈与の記録を残し、将来起きる相続に備えておいた方がよいと言えます。

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