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遺留分(2)

事業承継の場合の民法特例

一般的に、創業者が生前に会社株式の一部を後継者に贈与することは事業承継の準備として理解されています。この場合も、前回の「遺留分(1)」でご案内した遺留分との関係が生じて、結果的に、事業承継がスムーズに行われなくなるということが想定されます。

遺留分の事前放棄制度はありますが、後継者ではない者に遺留分を放棄させるのは難しいという実情があるため、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づく遺留分に関する民法の特例があります。

除外合意

後継者が先代経営者から贈与により取得した会社株式・持分、個人事業主の事業用資産は、原則として、相続開始前10年以内に行われたものに限り(後継者が推定相続人である場合に限ります。それ以外の者である場合は1年)、「特別受益」として遺留分算定基礎財産に算入され、遺留分に係る請求の根拠となります。

しかし、当該株式等・事業用資産を除外合意の対象とすれば、遺留分算定基礎財産に算入されなくなりますので、遺留分に係る請求の根拠にならなくなります。

固定合意

上記の除外合意と似ていますが、固定合意は会社にのみ適用されます。

後継者が先代経営者から贈与により取得した株式・持分を遺留分算定基礎財産に加算する価額は相続開始日を基準とする評価額になります。仮に、会社を承継後に評価額が上昇した場合には、贈与時の価額ではなく値上がりした相続時の価額が遺留分算定基礎財産に反映されます。この値上がり分を外すために、贈与時の評価額で固定することを固定合意と言い、贈与時の評価額を遺留分算定基礎財産に加算することとなります。

手続き

除外合意と固定合意は、経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可を必要とします。この確認申請及び許可申立は、後継者が単独で行います。
大臣確認は合意日から1か月以内に申請、裁判所許可は大臣確認日から1か月以内に申立てを行う必要があります。

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